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 コールセンターでの裏話 ③
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例えば夫が借りていて払う事が出来なくなった。
その借金を妻が代わりに払う。
こういう事を私達は「代払い」と言います。
代払いの場合、もう一度夫が借りたいと申し込みをしてきた場合、妻に連絡を取り貸付をしてもいいか確認を取ります。
そして、その代払いで完済した人から再度借りたいと電話が・・・
名前や生年月日で本人の確認を取ります。ここまでは問題なし。
「では、お姉さまに今回ご利用頂く事を確認させて頂きます」
「姉は今仕事なので・・・」
「では、ご連絡可能なお時間を教えて頂けますでしょうか？」
「姉から電話させます」
このあたりから何かおかしいと思い始めました。
なんというのでしょうか。
金融の女の勘です。
今までの経験上、全くの別人が代払いをしてくれた本人になりすますと言うのは多々あるので・・
「申し訳ございませんがこちらから・・・」
まで言った途端・・・・
「あっ！帰って来ました！姉が帰って来ました！」
「もしもし？姉です」
おっ！そうきたか！黒柳徹子さんのものまねをする時って鼻をつまんで高い声で話しますよね？
まさにそれ！その声で話始めちゃいました。
「お姉さまでいらっしゃいますか？」
「はい～そうです～姉です～。」声上がりっぱなし。
「貸してもいいですよ～大丈夫です～」もちろん声上がりっぱなし。
「２０万位貸して下さい～」ちょっと慣れてきた感じ。
「では、一度ご本人様に替わって頂いてよろしいでしょうか？」
「はい。本人です。」普通の声に戻ってる・・・
私としてはここで間違えて高い声のまま出てくれるのを待ってたのに！だって、こんな子供だましの
申し込みなんて早く終わらせたい！絶対にボロを出させてやると決めました。
「お姉さまからご承知頂いたのですが・・」
「そうですか？２０万大丈夫ですか？」普通の声
「ではご検討させていただきます。」相槌を打つ「はい」という声がリラックスしてきた。
きっと上手く騙せたと思っているんだな。
だいたい、借り慣れてくると申し込みの手順を覚えてくるので、このセリフがでると次は「一度お電話をお切り頂いてお待ち頂いてもよろしいですか？」なんです。
なのでわざと
「申し訳ございません。もう一度お姉さまに替わって頂いてもよろしいですか？」
「はい～姉です～」しっかり声上げてる。ん～やるな・・・
折り返し電話をした時にまだその場所にいるか？等聞いて
「それでは・・・○○様？」本人の名前で呼びかけてみた。
「はい。」本人の声
やったーー！！ボロをだしたな！！
「○○様ですか？お姉さまではないですか？」
「・・・はい～」声、上げ直し。
おーい。それは無理があるでしょうよ。
一緒に電話を聞いていた上司も声を出さずに大笑い。
｛良くやった！断り！！断っていいからね！｝のメモ。
こういう事やる人のシッポを掴むのって快感。本当におバカさんなんだもの。
「○○様ですよね？」
「はい～」本人の名前ですよ？声上がってますよ。
大丈夫？
もう本人も分からなくなってきたようです、なのできちんとお姉さんから許可が貰えれば申し込み出来る事を伝えました。すると素直に引き下がりました。
お金借りたい人の思考回路はどこに向かってるんだろな。
・・・・と考えたくなる申し込みでした。
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